August 13, 2006

英語学習にも成功理論が当てはまる!Part 2 幼児・子供の英語教育への応用

前回のブログでカリスマ体育教師の「原田隆史流成功理論」の社会人の方々への応用例を書きましたが、今回は幼児・子供の英語教育への応用例を書いてみます。

皆さんご存知のように最近は自分の子供に23才の幼児から英語教育を授ける親がたくさんいます。「自分の子供には自分ができなかった英語を身につけて欲しい」切実に願う親御さん達です。確りと子供の英語学習の目的を考えているお母さん方も多いが、英語学習の目的は後から考えるとして、兎に角英語をモノにしてほしいとただ漠然と考えているお母様方も多いことも事実でしょう。もしもこれを読んでいるあなたがそんなお母さんだったら、ちょっと立ち止まって考えていただきたいと思います。

あなたのお子さんの英語学習の具体的な目標は何ですか?

まずは親として自分の子供に英語ができるどんな大人に育って欲しいのか?

その目標を達成する為に何をどうやらなければならないのか?

しかし、一番大切なことは子供が自ら英語を本当に学びたいと思っているのか?

「やる気」になっているのか?ということです。

1年位前の話しですが、電車に乗っていてふっと前の座席を見ると、明らかに日本人の母子(5才位の男のこと30才代前半の母親)が英語で会話をしていました。と言うよりもお母さんがお子さんに英語で話しかけ、お子さんが日本語で答えると「英語で話しなさい!」と英語で話すことを強制しているような感じでした。日常生活において日本語以外は滅多に聞こえてこない日本の街中で日本人の母子が英語でコミュニケーションを取ることは自然ではありません。英語で日常会話を交わすことが子供の英語でのコミュニケーション能力を養う上でとても効果的で、お母さんにいくらその気があったとしても、子供がその重要性やその必要性がわかっていなければ、英語で話すことを強要されているとしか子供は思わないでしょう。英語が嫌いになってしまうかもしれませんし、お母さんとの母語での大切なコミュニケーション機会をなくしてしまうことだってありえます。

このブログでは、英語学習の心・技・体の中から私が一番大切だと思う「子供の英語を学習する心」を掘り下げて考えてみたいと思います。

子供は本当にやる気になっているのか?

英語が好きで自ら進んで学びたいと思っているのか?

子供の心のコップが上向きになって初めて学習しようという積極的な態度となり学習したことをそのコップに注ぐことができます。子供のコップが下向きになっていたら先生や親がいくら知識を注ぎ込んでもコップには何にも残らない。まずは心のコップを上向きにすることが大切だというのが原田隆史先生の持論です。

英語学習が親の押し付けになってしまい、子供が英語を学びたいという気持ちになっていない場合には、子供を「やる気」にさせることが先決です。

ACEの英会話家庭教師でもお母さんはやる気満々だけれども、今一子供が積極的でない。何となく英語はやりたくないのにお母さんに言われて仕方なく勉強させられているという感じの場合があります。または幼児の場合、英語を学習しているという意識はまったくなく先生と遊ぶ感覚で、すぐに飽きると騒ぎ出したり、自分の玩具やゲームで遊び始めてしまったりすることも稀にあります。

ご存知の方も多いかと思いますが、NHKのプロフェッショナルという番組に登場したベストセラー漫画でTVドラマにもなった「ドラゴン桜」のモデルとなったカリスマ英語講師・竹岡広信氏は、いかに英語学習に子供の心のコップを上向きにするかという課題にとても参考になる経験をされております。

竹岡先生は大学生の時に英語塾で高校生に英語を教え始めたそうです。自己流の教え方(自分が学習してきた方法)で3年間教えたそうです。約3,000もの英単語を繰り返し声に出させて徹底的に丸暗記させたそうです。しかし、残念なことに3年間みっちり指導した教え子達が大学入試で、男子全員不合格になってしまったそうです。どうしたら生徒の力が伸びるのか?10年間悩み続け、いろいろな教え方を試したがどうしても生徒に力を付けてあげられなかった。

そして、ようやく行き着いた結論は、「好きになれば身につく」ということ。つまり「英語に興味を持てば人は進んで勉強して自分のものにする」という人の学習意欲に気づいた。そしてBeatlesの歌を関西弁に訳して歌ったりして、受験テクニックではなく言葉としての英語の面白さを伝える授業を実践したら生徒が英語に興味を持ち、英語が好きになって何にも言わなくとも一生懸命に勉強し始めたそうです。その結果、「ドラゴン桜」にも描かれているとおり東大や英語の難関校である上智大学などに多くの教え子が合格するようになったとのことです。

きっかけは何であれ、子供が英語を好きになってもっと上手になりたいと思えることが一番大切なことだと思います。そのためにはお子さんの今の英語力を的確に把握して当面の目標を定めてあげることが第一歩です。当然子供は大人とは違います。英検の級を目標にして合格に向けて頑張らせるというような方法は逆効果です。子供にプレッシャーを与えてかえって英語嫌いを作ってしまうかも知れません。例えば、とても内気で外国人の先生を怖がっているようであれば、外国人の先生を怖がらずに接することが第一歩でしょう。日本語と違う言語を話す先生だけれどもこの先生と一緒にいたい、お友達になりたい、一緒に遊びたいと思えること。英語でコミュニケーションしたいと思えること、その積極的な姿勢があって初めて先生の英語に耳を傾けて英語を聞き取りその意味を理解しようと努力します。

そして先生に聞かれた質問に英語で答え、自分のメッセージを英語で先生に伝えたいという気持ちがあってこそ先生との英語でのコミュニケーションが成り立つのです。もっと先生の言っていることを理解したい、もっと自分のことを知ってほしい、自分の言葉で先生といろんなことについて英語でお話ししたいと益々積極的な気持ちになるはずです。そこで初めて子供の英語学習に対する心のコップが上を向いて先生の言葉、テキストの英語、CDの英語が注がれ、コップに徐々に溜まっていくのです。

また、英語圏へ海外旅行に行って英語の世界を体験したり、ホームスティして英語圏の家庭生活を体験したり、海外からの留学生を自分の家にホストとして受け入れたり、外国人が集まる都内の観光スポット(浅草やはとバスなど)へ子供を連れて行くことでもいいでしょう。そのような異文化体験を与えてあげることはお子さんの今後の英語学習にとってとても有意義なことだと思われます。

きっかけは何であれ、子供なりに「英語が話せたらいいなぁ」と思えるような体験をさせてあげることが大切です。子供が英語を好きになって「やる気」を出せば自分から積極的に英語学習に取り組むはずです。

PR: 英会話家庭教師のACEではカナダへの短期留学・親子留学・先生宅へのホームスティプログラムなど海外生活体験ができるよう現地のエイジェントと提携して在籍生へ夏休みや冬休みなど長期の休みを利用してご参加いただけるよう環境を整えています。

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June 01, 2006

音声インプット重視の幼児英会話教育

幼児(未就学児)への英会話指導において耳を鍛えることは将来スピーキング能力を高める上でとても大切である。前回のブログ記事で小学生からは文字情報による言語習得が音声のみによるインプットよりも効果的であると書いたが、このことは就学前の幼児については全く当てはまらない。むしろ180度発想をひっくりかえさないといけない。幼児期においては文字をなるべく使わずに耳での言語インプットに徹するべきである。言葉を変えると、幼児期においては文字として言語を処理する左脳教育を重視するよりも、耳に聞こえてくる音を目で見えるイメージとして視覚的に処理する右脳を鍛えるべきである。

元祖「英語耳」の第一発案者である故アルフレッド・トマティス博士(フランスの聴覚心理学者)は「人は聞き取れない音は発することができない」という原則を最初に発見した学者である。私達の発話は声がコントロールするというよりも耳がコントロールしているのである。人は自分が発した声を骨伝導(発した声の空気の振動を鼓膜で聞き取るということ以外に自分の発した声紋の振動を蝸牛内のアブミ骨という小さな骨の振動を耳で感じて自分の声をセルフモニタリングしている。つまり日本語にない英語特有の音(日本人の苦手な「r」と「l」や声帯を使わずに息だけで発する「s」や「th」などの歯擦音)の聞き取りができないと自分でも正確にその音を出せないということである。英語独特のリズムやイントネーションに乗っかった個々の英語音をハッキリと耳で捕らえて、自分の耳でネイティブの発音と自分が発する英語音を確りと比較・コントロールすることによって、自分の発話をネイティブのそれに近づけることができる。

博士によると人は「オギャア」と母親の体内から外界へ生まれ落ちた時には、既に母語を効果的に聞き取ることができるように耳がチューンアップされている。日本人の母親から生まれた赤ん坊は日本語の音に反応し日本語特有のリズムやイントネーションに乗っかった日本語音が聞き取り安いのだ。また英語を話すイギリス人の母親から生まれた赤ん坊はイギリス英語が聞き取り易い耳の状態になって生まれてくる。皆さんよくご存じのように胎児は母親の体内で母親の言葉を耳及び体全体で母親の声の振動を感じ取り上記アブミ骨を通して聞いている。言葉の意味を理解するというよりも、母語の特徴を脳に耳を通じて刷り込んでいるという感じだ。著名な生成英文法学者ノーム・チョムスキーが提唱していた生得的な言語能力とは母親の体内で母語の音声的な特徴を脳に刷込んだ結果としての潜在的な母語習得能力であると私は理解している。

幼児期においては文字情報から単語をたくさん覚えたりするよりは英語音を正確に確りと聞き取れる耳を鍛えるべきである。年齢が低ければ低いほどまだ耳ができあがっておらず、外国語としての英語音を聞き取れる耳を育成し易いからである。(トマティス博士によると人の耳は12才で完成する。ちょうど小学校卒業時に成人と同じ音域を聞き取れる耳の機能が完成するのだ。)単語や文法の習得はある程度年齢がいってからでも鍛えられるが耳はそういう訳には行かない。将来、英語音を正確に聞き取り、ネイティブに限りなく近い発音で発話できるために、幼児期の間に徹底的に英語を聞かせて耳を鍛えておくことは非常に大切である。

英語の歌による英語独特のリズム・イントネーションの習得も効果的である。ただし、BGMのように英語をただ単に流しておいて子供の耳に入れる(hearing)だけでは、いつまでたっても英語を聴き取って(listening)その意味を理解できるようにはならない。つまり聞かせた英語を理解出来るようにするビジュアルエイド(聴いた音の意味を視覚として理解させるイラストや写真・ビデオなど)が必要なのである。Natural Approachを提唱した言語学者クラシャンによる(意味の)理解可能なインプット(comprehensible imput)でないと英語の聞き取り訓練としては不十分だ。幼児期だからこそアルファベットや日本語という文字情報を介さずに英語を英語のまま理解出来るようにトレーニングする。その為にAV(オーディオ・ビジュアル)が効果を発揮する。

帰国子女と英語圏への大学・大学院レベル留学経験者との違いは、英語の発話におけるネイティブライクな発音と発声であろう。突き詰めれば幼少期にネイティブの英語音をどれだけ聞いて耳を鍛えたか否である。英語を正確に聞き取れる耳の善し悪しはリスニング力のみならず、将来における英語の発音・発話の善し悪しにも繋がるということである。

PR:エース英会話スクールでは幼児への指導で英語の歌・カラフルなカードやCD・ビデオ(DVD)教材を積極的に使用して目からの視覚的なインプット・耳からの音声的なインプットを最大限に取り入れて、(意味の)理解可能なリスニング指導を実践している。

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March 27, 2006

小学生以上の入門学習者への英会話指導では読み書きは必要ないか?

小学生以上の入門学習者への英会話指導でテキストを使わずにリスニングとスピーキングのみ指導している英会話スクールがある。小学生以上の英会話入門者への指導ではリーディングとライティングは指導しない方が良いのであろうか?言語学的には文字を教えるかどうかということである。

オーラルでの言語習得において文字は邪魔モノなのであろうか?確かに幼い子供は外国語でもその音声を忠実に聞き取る耳を持ち、聞いた音を母国語の介在なしに忠実に再生できる。就学前の幼児への指導であれば音声オンリーの指導もありであろう。

しかし学校でも日本語の読み書きを本格的に学んでいる小学生以上であれば、英会話でも文字を積極的に教えるべきだ。今までは音声のみで理解していたことが文字を見る(読む)ことによって文字データの言語として認知されるようになる。言葉の配列や細かい音のつながりをしっかりと認知するようになる。ワッチャーネィム?と音声で認知していた表現、名前を聞かれていることは分っていたが、実はWhat is your name?という四つの単語が自然に発話されるとワッチャーネィムと聞こえることを理解する。そしてWhat'sは何?という質問であるということに気づき、yourはきみの、nameは名前のことだと気づく。What'sは何?という質問であることに気づけば、あとは芋づる式に、What's this?  What's that? の質問も理解でき、What's your mother's name? fathermotherという単語を習えば、お父さんお母さんの名前を聞かれていることが理解できる。

英語圏で暮らしていて英語を第2言語(第2生活言語)として獲得するのではなく、日本に生活していて英語をまったくの外国語として学ぶ場合において、文字を導入せずに音声のみで指導するならば、英会話習得の効率がとても悪くなる。何故ならば、音声のみで指導したことは定着せずにすぐに消えてしまうからである。確かに子供は大人と比べて外国語音の聞き取り及びその忠実な再生には優れている。しかしながら、例えば外国人講師の後につけてスムーズにリピートできた単語なりセンテンスがそのまま定着するかどうかという点に関しては心もとない。レッスン後にかなり復習しないとすぐに忘れてしまう。英語圏に暮らしていて新たに習得した単語やフレーズを日常生活の中で繰り返し聞き、自分でも実際のコミュニケーションで使う場面があるのであれば自然と定着するであろう。しかし、日常生活が日本語にどっぷりと浸かった環境で、同じことを期待することはできない。外国語として英語を学ぶ場合には、音声だけでのインプットにはかなり無理があり、それを補完する意味で文字として英語を確りと認知する必要があるのである。

大人の場合にも同じことが言える。例えば今まで学習したことのない英語以外の外国語を音声だけで学習することは困難を極める。先生やCDの後につけて言えたとしても、それを定着させるには何度も何度もその表現を言う必要があり、すぐ忘れてしまうので、忘れてしまわないうちに復習が必要である。

文字として目で見て、確りと文字を声に出して読み、更にその表現を書いてみることによってはじめて、音声だけのインプットとは比べ物にならないくらいに確実に定着するはずである。

別な例を挙げると、就学前幼児は英語圏で1~2年ほど生活し、近所の子供達と英語で遊ぶ環境を整えてあげるだけで、英語がかなりしゃべれるようになって帰ってくる。しかし日本に帰って来て、英語を話せる環境を作ってあげないと、せっかく獲得した英語を話す能力はすぐに消えてしまう。獲得も早いが喪失も早いのである。これに対して小学校以上で現地の学校で確りと文字で英語をインプットしてきた子供達は日本に帰ってから、英語を話せる環境がなくとも、CDなどで英語を聞いたり、英語の本を読んだりすることによって英語力を維持することができ、そう易々と獲得した英語力を喪失してしまうことはない。

就学したらできるだけ早い段階で文字の学習を開始すべきであり、耳だけに頼るのではなく目や口そして手でその単語や表現を体験させることが大切である。英語を目で見て理解でき、声に出して読め、更に書けるようになると、リスニングとスピーキングが飛躍的に伸びる。小学生が学校でも文字を学習して自分で日本語が読み書きできるようになって日本語の聴解力と表現力が飛躍的に伸びることと理論的にはまったく一緒である。国語つまり日本語を文字なしに音声だけで指導する場合と読み書きを指導する場合の日本語習得における効率を考えると明らかに読み書きを指導する方に軍配が上がる。

中学高校でのいわゆる学校英語、読み書き中心の指導方法が批判されるが、批判されるべきは英語を日本語に訳す教え方である。日本語に翻訳するのではなく、英語を日本語に置き換えずに、英語のまま読解または聴解する練習が必要であり、それができるようになって初めて、速読・速聴、直読直解・直聴直解の力が養われ、今流行りの表現をあえて使うならば、日本語を介在しない英語回路または英語脳ができあがる。

文で発話する際の英語文の組み立て、つまり自分で英語を発話する場合には単語は意識されるべきであり、無意味に表現を丸暗記したものだけで発話することはお勧めできない。ある表現を教えたら、その表現を使った質問に自分の言葉で答えさせたり、質問を作らせたりするクリエイティブな練習をすべきである。自分の言葉で質問に答える、自分で相手に尋ねたい質問を作る。このクリエイティブな作業なくして、自己表現としてのスピーキング力は伸びず、英語はいつまでも話せるようにならないのである。更に自分で作った英文を文字として書かせてみることは定着という観点から非常に大切である。

まとめると、小学生以上の英会話入門学習者への指導においてはスピーキングとリスニングだけに力を入れるのではなく、リーディングとライティングもバランスよく鍛え、4技能の集大成としてオーラルコミュニケーションを教えることが必要である。英語でのコミュニケーションスキルの育成、つまり英会話の上達において、4技能に磨きをかけることは遠回りのようで最短の道なのである。

PR:エース英会話では、小学生以上の英会話入門学習者へきっちりと4技能を教え、効果的に生徒の英語オーラルコミュニケーション能力を高めている。

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August 17, 2005

学校英語の授業で一向に英語が話せるようにならない理由は簡単だ。

中1と中2の英語の教科書は確かにダイアログが中心で口頭英語を教える素材となってきた。(中3からは以前と同じエッセイ中心のテキストであまり進歩がないが・・・)また高校の授業でも英語オーラルコミュニケーションという教科書を使って授業を行っている。

しかし、学校英語の授業のお蔭で生徒が英語を話せるようになったという報告は耳にしたことがまったくない。何故か?

答は簡単だ。未だにGrammar Translation(文法解説と英文和訳中心の授業)を根本にした授業が行われ、教師は生徒の理解の指導に終始して、話せるようになるまでの指導が出来ていないからだ。

相当な教授法研修を受けない限り「教師は自分が教わってきた方法以外で生徒を指導することが出来ない」という定説がここに生きているのだ。英語が使えるようになるための指導が具体的にどういうものなのかはっきりと認識しそれを実践できる日本人の英語の先生が中高でどのぐらいいるかはその学習成果から明らかであろう。10%いれば良い方だと思う。中高の先生を養成している大学の教育学部や英文科・英語学科の講義において、具体的にそれがどういうものか講義し、教え子である中高教師が実際に教壇に立ったときにそれを実践できるように指導(トレーニング)できている大学講師や教授があまりにも少ないということでもある。

教科書に書かれた英文を生徒が実際の会話で使えるようするための、一つの方法は次の言語学習5段解理論を実践することだ。

第一段階 Recognition(認知=理解)

教科書に書かれた英文をまずは理解する。理想的には最初は音声での聞き取り(Listening)指導から入り、次に聞いた英文を読んで(Reading)詳しく理解する指導=英文の構文理解(Structure=Grammar)と語彙・語法解説(Vocabulary)を含む意味の指導へと進む。ここで注意しなければならないのは英文を決して日本語に一語一句正確に訳してはいけない。むしろその英文の言語機能(language functions)と正しい使い方(social linguistic aspects)を教えることが大切だ。

第二段階 Imitation(模倣)

上記で充分に理解した英文メッセージの意味を十分に念頭に置きながらCDなどのネイティブの音声を真似て言ってみる発音・音声指導である。フォニックスと音声変化のルール(音のリンクや脱落など)を上手く絡めて指導すると効果的である。

第三段階 Repetition(反復)

正確に意味を理解しネイティブに近い発音で言えるようになった英文を何度も反復して発話させ、定着をはかる。(これによって自然に英文を暗記し暗誦できるようになる。(リピーティング指導)

第四段階 Diversion(展開)

憶えた英文の一部をいろいろ変化させて、新しい英文を作る応用力を養成する。(ドリル指導)

第五段階 Selection(選択)

いろいろな場面や状況に応じて適切な英語表現を選択して実際の会話で使ってみる(実践会話)学校での指導は第一段階:理解の指導もしくは第二段階:音声指導で終わっている。しかも未だに詳細に渡る文法解説や英文和訳に授業時間のほとんどを費やしている先生方が多い。ゆえに英文は理解(訳せるが)使えるようにはならない。使えるようになるための指導(反復・展開・選択)を行っていないのであるから使えるようになるはずがないのだ。

「1クラス20人も30人も生徒がいて実践的な英会話は教えられない」という中高教師の言い訳が聞こえてくる。

しかし人数は問題ない。生徒が30人であったとしても実践的な会話は充分に教えられる。

1)全体学習 2)ペアー学習 3)個別チェック 4)全体学習 という4サイクル指導手順を踏めばクラスサイズが30名であっても十分に対応可能である。

ここでは実際に中1の英語のテキストから抜粋した次のダイアログを、第一段階:理解の指導および第二段階:発音・音声指導が終わって、第三段階のリピーティング指導(反復による定着)に入ったとして簡潔に説明する。

Situation: At a Japanese restaurant

Yumi: Do you like Japanese food, Lucy?

Lucy: Yes, I do.

Yumi: What do you like?

Lucy: I like sushi and tempura.

☆第三段階の反復による定着を4サイクルで指導する例

1)全体学習

A. Choral Reading: 講師の発話またはCDのネイティブの音声のあとに一発話ずつクラス全体に大きな声でリピートさせる。(1発話2回ずつ)

Teacher: Now, class! Read the dialog after me. Do you like Japanese food, Lucy?

Class: Do you like Japanese food, Lucy?

  最後まで続ける

B. Role Reading: 講師とクラスでダイアログの発話のやり取りをする。

Teacher: Let's do role reading. I will take the role of Lucy first. Why don't you take the role of Yumi?

Teacher: Do you like Japanese food, Lucy?

Class: Yes, I do.

Teacher: What do you like?

Class: I like sushi and tempura.

    ロールチェンジしてもう一度

2)ペアー学習

隣の人とペアーを組ませRole Readingをさせる。講師がストップと言うまで何度でも繰り返させる。頃合を見計らってロールチェンジさせる。生徒がやっている間、講師はクラスを見回って生徒一人ひとりの発音などを出来る限り矯正する。

3)個別チェック

生徒2人を指名し、その場に立たせてロールリーディングをさせる。3~4組実施。矯正する部分があれば矯正し、クラス全体にも矯正箇所をリピートさせる。

4)全体学習

 締めくくりとして、再度講師対クラスでロールリーディングを実施する。

以上でロールリーディングは終了

次にテキストを閉じさせて、講師の声またはCDのネイティブの音声のあとに一発話ずつクラス全体に大きな声でリピートさせる。上記と同じ手順でテキストを一切見させずに4サイクルでロールプレイができるように指導する。

☆次に第四段階 Diversion(展開) ドリル指導

(日本食レストランでの会話)

(中華レストランでの会話)

(イタリアンレストランでの会話)

などと設定して、

A: Do you like Italian food?

B: Yes, I do. (No, I don't.)

A: What do you like?

B: I like Pizza and spaghetti.

と応用させる。

さらに発展させ、

(スポーツの会話)

A: Do you like sports? ※1年生なのでまだ不定詞は使わない

B: Yes, I do. (No, I don't.)

A: What do you like?

B: I like soccer and tennis.

(音楽の会話)

A: Do you like music?

B: Yes, I do. (No, I don't.)

A: What do you like?

B: I like rock and popular music.

※以上を4サイクルで指導する。

☆第五段階 Selection(選択) 実践会話

主にペアーでの会話に最大限の時間を割く。

A. You are at a Chinese restaurant, Italian ...

B. Talk about music, sports, ...

などと場面やトピックを講師が指定してペアーで会話させる。

※これも4サイクルで指導する。

以上が簡単であるが4サイクルを使った指導の具体例である。

お気づきのように第三段階から第五段階まではあくまでも生徒が主役であり、講師は脇役である。講義形式なんてとんでもない!生徒は第一段階と第二段階で理解した英文を徹底的に声に出して活発に使ってみるのだ。

ここまでやれば、このダイアログにおける次の目標言語機能(target functions)は、英語でのコミュニケーションである程度使えるようになる。

何かが好きかどうか尋ねる表現 Do you like ...?

それにYesNoで答える。

さらに具体的に何が好きか尋ねる表現 What do you like?

それに具体的な名前を挙げて答える。 I like A and B.

※言語概念とその機能的なアプローチ(Notional Functional Approach については別の記事で説明したい。

私はECCで20年前に30名近くの生徒へ3年以上上記の指導方法で直接教えたことがある。さらに日本人講師を研修し、直接・間接的に5年間以上で1千人以上の生徒へ実践した。教えた英語を実践の英語コミュニケーションで使えるようになったかという観点からは、中高での学校英語授業の効果とは雲泥の差があった。当時ECCの年間受講料は20万円を越えていたがそれだけの価値は十二分にあったと確信している。(週2回、1回80分)

最後に英文和訳をいくらやっても英語が話せるようにならないどころか、むしろ英語が話せなくなる実例を挙げてこの記事を締めくくる。

今年の5月頃、NHKテレビで著名な翻訳家(有名大学の英文科で英日翻訳も教えている)がインタビューを受けていた。私はその翻訳家の回答に衝撃を受けた。翻訳家曰く、「英語は恥ずかしくなるほど話せないんですよ。海外でのパーティなどでは本当に困ってしまいます。」

1日のほとんどの時間を英文和訳に費やしているにも拘らず英語が話せないとは?!

しかしよく考えてみると、これは当然と言えば当然だ。口頭英語でのコミュニケーションにおいて英文和訳は弊害の他なにものでもない。英語を聞いたり読んだりする時に日本語を介在させることは、英文を英語で直接理解すること(直解)の大きな妨げとなる。

英文和訳を続けていると自分がいざ英語を話そうとするときに日本語が頭に浮かんでしまい、その日本語を英語に置き換えようとしてしまう。これでは英語がスムーズに話せるわけがない。右脳で浮かんだ自分の話したいメッセージ(イメージ)を日本語を介在せずに、左脳に蓄えた自分の英語のボキャブラリーと文法力でそのまま言葉にすることによって初めて英語がスムーズに話せるのだ。

PR:エース英会話スクールでは英文理解(認知)の指導に留まらず、使えるようになるまでの指導(模倣・反復・展開・選択)を実践している。

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June 25, 2005

バイリンガルは自宅で育成するに限る

最近は「我が子をバイリンガルに育てる」という合言葉のもと、純粋な日本人にも拘らずインターナショナルスクールへ我が子を入学させる親が増えている。米国が運営するアメリカンスクールなどへは日本人の子供は入学出来ないので、日本人の子供たちを対象にした私設のインターナショナルプリスクールまたはキンダガーデン(3~5歳対象の幼稚園)やインターナショナルプライマリースクール(小学校)が各地に開設されている。

インターナショナルスクールとは名ばかりで生徒の100%近くが日本人である場合が少なくない。日本人対象の全日制の英語学校というのが正解だろう。どこも国語(日本語)の授業以外はオールイングリッシュでの指導を強調するところが多いが、思考言語である日本語力の低下が危惧される。真の意味でのバイリンガル教育が望まれるところだ。

日英バイリンガルを育成するためには、日本語と英語をバランス良く指導出来るカリキュラムが不可欠である。日本に生活して外国語としての英語を日本語と並行して学ぶことが理想的だ。国語以外の教科を全て英語で授業を行うことのメリットとデメリットを親はよく考えるべきだ。日本にある公立や私立の小学校や中学校へ進学させるのであれば幼稚園や小学校の授業を英語で行うメリットはデメリットを上回るのであろうか?一般の学校に進学した際の子供の負担(今まで英語で学んでいたことを日本語で学び続けることの大変さ)は計り知れない。日本の幼稚園や小学校に通って日本語での教育を確りと受けさせながらバイリンガル教育を家庭やアフタースクールで行うことの方がリスクは遥かに少ないだろう。

国民性は母語と密接に関連する。日本人として生まれて日本で生活しているにも拘らず幼少より英語で教育を受けさせるのはやはり不自然だ。日本人としてのアイデンティティを確立する前にすべて英語で教育を行うことの危険性はアイデンティティの喪失へと連鎖し、将来成人した時に「自分は何者なのか?」「自分はどの文化に所属しているのか?」という悩みを抱え、日本に居ても日本社会や文化に溶け込めず、英語圏の国々に居てもそこの文化や社会に溶け込めない、どこに居ても帰属意識を感じられないボーダーピープルを育成してしまうのではないか。

日本語で確りと教育し日本人としてのアイデンティティを確りと確立した上で、外国語としての英語を教え、日本とは違った風俗・習慣や文化、日本人とは異なった物の感じ方や考え方などを学ぶことは、将来子供達が国際社会で生きていくうえで非常に有益だと思う。それこそ、正に外国語を学ぶ意義ではないか。思考言語である日本語での正規教育を学校で確りと受けている生徒へ、外国語としての英語教育を自宅で確りと提供すること、それこそ私達エース英会話スクールが目指すバイリンガル教育である。

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April 09, 2005

日本で学習するだけで英会話をマスターすることは可能か?

はい可能です。しかし膨大な時間と労力を費やさないとできません。

私は商売柄、日本で学習するだけで英会話をマスターした日本人英語教師や英語を使って仕事をしている人達をたくさん知っています。外国人と英語で自由にほぼ母国語と同じように意志疎通ができる人達です。(英検1級、TOEIC900点以上のレベルです。)

しかし英語学習者全てがこの域に来られるというかというと、全学習者の10%未満でしょう。知っている人も多いと思いますが、元NHKテレビ英会話上級コースで外国人の著名人に英語でインタビューを行っていたカリスマ英語ディベーター、同時通訳者の第一人者でサイマルの元社長、アルクのヒアリングマラソンの元カリスマコーチなどは有名です。私共エース英会話スクールにも、帰国子女のバイリンガル先生と同じレベルの先生が何人かおります。やはり海外留学・海外生活なしで日本だけで英会話をマスターした人達です。

彼らに共通するのは英語が大好きで一般の学習者(週1~3時間)の10倍も20倍(週10時間~30時間以上)も時間をかけて長年勉強を続けています。外国語をマスターするには気の遠くなるような時間が必要なのです。少なくとも15,000時間は費やしているはずです。1日3時間1年間休みなく学習を続けても1095時間です。13年以上それを続けないと1万5千時間にはなりません。週1回1時間のレッスンを1年間コンスタントに受けたとしても48時間にしかなりません。10年続けたとしても480時間でしかありません。英語が大好きでそれこそ一所懸命打込まないとモノにならないということです。

子供に英会話を習わせているお母さんお父さんにも考えてほしいのです。週に1回英会話の教室に通っても総時間数はたかがしれている事を。しかし、今の子供達が現実問題として英会話の勉強に毎日1時間を割くことが出来ないことも事実です。私にも小学生の子供が2人います。学校の勉強のほか、ピアノを週に1回習い、サッカーを週に2回クラブで練習し、そして英会話を週に1回私が教えています。上の子は今年の4月から4年生になるので塾にも週に1~2回通わせようと思っています。英会話の時間をもっと確保したいのですが、なかなか難しいようです。

それだからこそ週に1回の英会話の時間は貴重な1時間ですから、最も効果的な方法で学習させてあげないといけないということです。多くの親御さん達はもう気づき初めています。6~8人のクラスレッスンで何年も学習しても英会話力が身につかないことに。週1回1時間しか英会話学習に時間を裂けないのであれば、最も効果的なレッスン方法、マンツーマンのプライベートレッスンで学ばせてあげましょう。

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March 18, 2005

小学校高学年からの英語(英会話)学習

幼児から小学校低学年(小3、9才)までの教え方は英語をイメージとして脳に刷り込む右脳主体のイメージ学習法に効果がある。

外国人講師が発した生の英語を正確に耳で捕らえその音に近い音を発話するリピート主体の反復学習法である。多くの英語音を聞かせてそのままリピートさせる単純な指導法の方が効果的だ。理屈抜きで聞こえてくる英語音を耳が受け入れるし、聞いた英文を意味や文法ルールなどを気にしないで真似して再生できる。単純な単語や表現なのでフラッシュカードやテキストに描かれたイラストを見るだけで大体の意味は見当がつく。意味を考えずに英文だって何回も言って覚えてしまう。

What's this? It's a pen. It's a book. It's a dog. What's this? という質問に、It's a を使って答えるドリル練習でこのパターンを脳に刷りこむ。物がひとつなのでItという単数の代名詞とisというbe動詞を使って、aという不定冠詞を物の名前(補語)の前につけるというような文法ルールの説明は逆効果だ。

しかし小学校高学年(小4、10才)からの教え方は左脳を主体とした概念学習でなければならない。英語のルールをしっかりと理解させ文法ルールに則った正確な英文を指導する段階だ。単語やフレーズレベルでのコミュニケーション方法には別れを告げ、文レベルでのコミュニケーションを目指さなければならない。

外国人講師の英語オンリーのレッスンに参加していれば会話力が自然に身につくと考えるのは大きな間違えだ。小学校高学年の子供を持っている親や小学生に実際に何かを教えている教師は良く理解できると思うが、小学校高学年の日本語(母語)によるコミュニケーション能力はかなり高い。もう自分の言いたいこと、表現したいことをかなり自覚している。ゆえに英語によるコミュニケーションも然りだ。

単純な単語のリピートや日常生活における決まり文句をそのまま覚えて言ってみる反復学習法のみでは不十分だ。自分自身のことや身近な生活について英語で表現したいという欲求を満たしてあげなければならない。これを達成するために自己紹介からスタートして自分のことを英語で少しずつ正確に表現できるように文法や構文を指導する必要があるのだ。

例えば、3人称単数現在で動詞の語尾にsが付くことを実際の会話の中でそのルールを発見し自然に身につけることは英語圏に生活して英語でのコミュニケーション環境にどっぷりと浸かっていないと難しい。ルールを教えてからそのルールに則って正確な英文を発話する方がはるかに効率がよい。

エース英会話スクールではマンツーマンで生徒の英語による自己表現力を高める効果的なレッスンを提供している。

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February 01, 2005

幼児・子供の英会話指導には芸達者な講師がお勧め!

子供(幼児~10才未満のこども)に英会話を教えるのはある意味、大人に教えるよりも遥かに難しい。

エース英会話スクールに所属している約300人の外国人講師のなかで子供に上手に教えられる講師は20%(5人に1人)ぐらいであろう。大人は教えられるが、子供は教えられない講師が多いのだ。だからエースでは、厳選した講師にしか子供は担当させない。逆に子供を教えるのがうまい講師で大人は教えられない人は滅多にいない。(ビジネス英会話や専門的なことを教える場合は、もちろん別だ。)

子供を上手に教えられる必須条件はなんと言ってもユーモアである。楽しくなければ子供はレッスンに積極的に参加してこない。小さな子供相手に1時間楽しく教えるには、かなりのエネルギーが必要だ。講師はいつも明るく元気でなければならない。子供とレッスンにおいて英語で遊べるぐらいの講師がちょうど良い。

子供を教えるには指導的な技術も然ることながら、適性や性格がものを言う。同じことを指導していてもちょっとした工夫で楽しくできる。機転の利いたユーモアが最も大切だ。フラッシュカードを見せるという単純な動作でも、無表情・無言でカード見せるのではなく、カードの動物の鳴き声を真似てみたり、カードに描かれた物が出す擬音を発してみたり、何も音で表現出来なければカードがあたかもFAXで出てくるよう下から少しずつ表示してFAXの「カタカタ」言う音を真似するだけでもおもしろくできる。大袈裟なジェスチャーも効果的だ。大袈裟であればあるほど子供は英語の意味を想像しやすいようである。楽しいイラストを描くことも効果的だ。更に子供の指導で歌はかかせない。講師が楽しく上手に歌えなければ子供も一緒に歌おうとは思わないはずだ。

こう考えてくると子供に上手に英会話を教えられる講師の芸は多岐にわたる。子供たちを笑わせるお笑い芸は必須であり、講師は動物や物の音を真似できる器用な声優であり、ジェスチャーで単語の意味を説明できるパントマイマーであり、楽しい絵を描ける画家であり、さらに楽しく歌うことができる歌手である。

それだけの芸を一から研修で仕込むことはできない。子供が大好きで、英語で子供と思いっきり遊べる性格と幅広い芸を既に身につけた講師を採用するしか道はなさそうだ。エース英会話ではできるだけ元気で明るく、しかも芸達者な講師を子供の指導向けに採用している。

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January 10, 2005

理想的な英会話外国人講師の発音とは?

よく言われることだが、本当にオーストラリア出身の講師の英語は訛っているのだろうか?

皆さんご存じのAustralian Englishのジョークがある。

American: Where are you going?
Australian:I'm going to the hospital today.
American: I beg your pardon? Going to the hospital to die?

「今日は病院に行く」と言うオーストラリア人の英語が米国人には「病院に死にに行く」と聞こえるというブラックジョークである。

本当に全てのオーストラリア人はtodayをto dieと発音しているのであろうか?

確かに地元でオーストラリア人同士が会話する場合そう発音する人は多いだろう。但し、これを以てオーストラリア人の先生の英語は訛りがあるから習いたくないと考えるのはあまりにも短絡的で時代錯誤も甚しいと言わざるを得ない。日本に英語を教えに来ているオーストラリア人の先生を年間100人近く面接しているが、多くのオーストラリア人講師は世界標準の英語を話す。出身地やどこで教育を受けたかによってStandard Americanに近かったりStandard Britishに近い発音、または英米英語の中間ということもある。

何故オーストラリア人の先生が私との面接で話す英語と現地で話す英語を使い分けるのかというと、標準的な英語を話した方が採用される確率が高くなるからである。つまり、英語を教える場合には標準英語で生徒に話しかけ、出来るだけ標準の発音を生徒に指導しようと心掛けているからである。特に若い世代(20代や30代)でこれは顕著である。これだけ各種メディアが発達し英米人が話す英語を聞く機会が多くなると自分の発音と標準英語との違いを認知し、意図的に英米式の発音で英語を発話していることは想像に難くない。

沖縄の地元では琉球訛りの日本語を話す沖縄の人やこてこて大阪弁を地元で話す浪速の人が東京で外国人に日本語を教える場合に意識して標準的な日本語を話すのと同じである。50歳代前の日本人で標準語を話せない人は少ないだろう。

ゆえに、私の面接に合格したオーストラリア人の先生の英語は非常に聞き取りやすく、生徒の子供がそのまま真似して先生の発音を身につけてもなんら問題はない。申し訳ないが英会話の指導にあたって標準的な英語を発話出来ない外国人はエース英会話の先生として採用させていただくことは遠慮している。

オーストラリア人の先生の発音を話題にしてきたが、逆に、稀だが生粋の米国人や英国人でとても聞きとりずらい発話をする人がいる。特に年配の方や英会話教授経験の浅い人達だ。特に米国人で語尾の子音を曖昧に発音したり、リダクションやリンキングなどを多用してはっきりと発話しない人も採用を見合わせている。(弱い子音を省いたり母音と子音をリンクして2語以上の単語を連結して1語のように発音する音声変化。例えばWhat did you say?をワッヂュセィと発話する。)また、英国人で訛りのひどい方の採用も見合わせています。(イギリスの北に行けば行くほどちょっと訛っているなと感じてしまうのは私だけではないでしょう。)そんな方々の英語はリスニングの勉強には適しているかも知れないが、特に子供の発音指導やスピーキング指導には不適格であろう。

こう考えてくると出身や国籍というよりもそれぞれの外国人が英会話の指導においてTVのアナウンサーや英語教材CDのナレーターに近い誰にでも聞き取り安く標準英語として生徒が真似してふさわしい英語の発話ができりかどうかが問題となる。特に幼児や子供を担当していただく講師には語尾の子音をクリヤに発音してもらい、ひとつひとつの単語やチャンツ(意味をなす単語の塊)を丁寧に発話してもらっている。

結論:

1)出身地で外国人講師の発音を先入観から推測するのではなく実際に会って自分の耳で発音を聞いてから自分の(または子供の)先生として適切か判断しましょう。

2)次のような講師は避けましょう。
声が小さい人。早口の人。はっきりと発話しない人。

3)次のような講師であれば安心です。
声が大きくて、生徒の反応を確かめながら話すスピードをコントロールし、意識して明瞭に発話する人。
特に各単語の語尾をクリアにはっきりと発音する人は子供の指導には理想的です。

エース英会話では上記3)を目指して、外国人講師、日本人講師すべての応募者の発音をインタビューで入念にチェックしております。プロ意識を確りと持った外国人講師は出身国を問わず世界標準の綺麗な英語を話します。また意識して綺麗な発音を目指している帰国子女や日本人講師の発音も彼らに匹敵します。
特に英語演劇(English drama)、英語演説(English speech)、英語アナウンサーなどに興味を持って勉強している人の発音は外国人プロ顔負けです。

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December 26, 2004

幼児が英語を話せるようになるためには親の協力が不可欠!?

hahako週1回英会話教室へ幼児(3歳~5歳)を通わせるだけで英語が話せるようになるとあなたは思いますか?
答えはNoとYesです。


もちろん通わせるだけでは話せるようにはなりません。週に1回だけ40~50分間英語に触れるだけであれば、習ったことはすぐに忘れてしまってあまり上達しないのが普通です。しかし同じ教室に通っている幼児で着実に話す力をつけている子がいることも事実です。その分かれ目は親(特に母親)にかかっています。

エース英会話スクールに英会話家庭教師を依頼する幼児たちで既に英会話スクールや英語教室に2年~3年も通っているケースが少なくありません。実際にそれだけの年数英会話を習って話せるようになっているかというと、残念ながらそうでない場合がほとんどです。

もともと5人~8人で習う英会話レッスンの目的は、次の2つに留まっております。
1)簡単な英単語(色、数字、アルファベット、動物の名前、果物や野菜の名前など)や挨拶などの決まり文句を憶えること。
2)ネイティブ講師(教室によっては日本人講師)の発音を聞き取ったり、発音を真似たりすること。
残念ながら実際に英語で話せるように訓練している学校はほんの一握りだと言わざるを得ません。

エースでは1対1のプライベートレッスンが生徒の話す力を高める最も効果的な教え方だと考えています。
更に次のことを母親が実施すると話せるようになる確率はかなり高くなるようです。

1)教室で習ったことを家でなるべく早く復習してあげる。または復習出来る環境を家に作ってあげる。

a)リスニングの復習として、その日に学習した英語の音声CDや英語の歌を聴かせてあげる。

b)スピーキングの復習として習った英語を発話する手助けをしてあげる。

上記、特に教室で学んだことを復習するためにはレッスン内容を母親が把握する必要があります。この観点から、母親が子供が習ったことを復習出来るようにレッスンを公開している学校は良心的だと言えるでしょう。

しかしレッスンの間中、母親がじっとみていると子供は緊張してプレッシャーを感じたり、逆に親に甘えてしまって自分で言えることも英語で言わないこともあるでしょう。私どもエース英会話ではお母さんにレッスンを行っている部屋になるべく一緒に居ていただくようお勧めしています。(お子さんの部屋よりも広いリビングでレッスンは実施)。お母さんにはお子さんが緊張しないように編み物や読書など他のことをやりながら講師とお子さんのやり取りを聞いていただいております。

復習にあたって母親は必ずしも英語を使う必要はありません。ご自分の発音をお子さんに真似してほしくないお母さんは英語を使わない方がよいでしょう。英語で子供に話しかけるのではなく、日本語で子供に英語を話す機会を与えればよいのです。

例えばレッスンで習ったことを意識しながら、身近にある物を指さしながら「OOちゃん、これは英語で何色?」「これは英語で何というの?」「朝の挨拶は英語でなんて言うの?」「お父さんに英語でおやすみを言ってみようか。」と日本語で話しかけたり提案してみます。英語でちゃんと言えたら「OOちゃん、すごいね!英語で言えるね!」と思いっきり褒めてあげましょう。万一うまく英語で言えなければ、「今度先生が来たら、何ていうのか聞いてみようよ。」とさりげなく言えなかった事をチェックしておいて、次回のレッスンの時にまず先生にメモなどを渡して復習してもらうととても効果的です。

出来るところから無理せずに、親子で英語を楽しむことから始めるとよいでしょう。

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