ビンバンブン経営者へ物申す: 英会話教育と会社経営
ご存知の方々も多いと思うが、英会話家庭教師派遣業の最大手のビンバンブンが倒産した。
2日の毎日新聞記事を引用する。
家庭教師派遣会社:破たん、受講料8億余円は返済不能に
英会話の家庭教師を派遣する「ビンバンブンクラブ」を全国展開する「オーブエデュケーションシステム」(さいたま市大宮区)と「エデュケアシステム」(東京都新宿区)が東京地裁に自己破産を申し立てたことが分かった。同社の派遣事業は28日に終了し、東京地裁が翌日、破産手続きの開始決定を出した。受講者は全国で約2万6000人に上り、返済不能な前払い受講料は2社で約8億4000万円の見込み。同社は会員らに受講料返還は不可能とする通知をしており、受講者の間で「被害者の会」を結成する動きも出ている。2社の負債総額は約48億円の見通し。両社は「脳内革命」などを出版した「サンマーク出版」を含む企業グループを運営するSMG(東京都新宿区)の系列会社。毎日新聞 11月2日
また、同日の朝日新聞の記事によると講師に対しても未払いの賃金が1億1千万円もあるそうだ。
同業の経営者として同社に対して強い憤りを感じる。
社会的な責務の一端を担う会社は当然未受講分前払い受講料を返還すべきだ。講師に対しても賃金の未払いは許しがたい行為である。破産した子会社ができないのであれば親会社のSMGがすべての責任を果たすべきだ。
受講料3年分35万円を一括払いというのも度を越している。一括で払えない人へは信販会社にローンを組ませていたようだ。
ビンバンブンに関してはここ数年ネット上で教務のいい加減さに関して苦情が絶えなかったようだ。ビンバンブンに勤務していたという講師の方から担当していた生徒さんに紹介したいと弊社のパンフレット請求で直接連絡をもらったが、講師に対しても事前に何の通達もなく、倒産の件は外部メディアで知ったという。講師に対する研修もサポートも殆どなかったようだ。
関係者によると「中途退会者が新規入会者を上回り、受講料返還経費などがかさんだ。」ということだ。教務運営がずさんであれば中途退会者が増えるのは当たり前である。
教育産業における会社組織はビジネスだが、利益一辺倒では決して成功しない。
今回の倒産劇で思い出したのはECC外語学院の創始者、故山口勇氏の次のような言葉である。私は新卒で20年以上前にECCに就職したが、山口氏の新入社員への訓示で、
「英会話スクールにおいて一番大切なことは、営業と教務のバランスだ。絶えず経営者は50%-50%のバランスを考えないといけない。これは経営者だけではなく社員も講師もこれを絶えず念頭において仕事をしないといけない。営業が教務よりも重んじられると生徒は逃げていく。しかし教務にばかり一生懸命で営業を軽んじると会社としての経営が成り立たなくなる。50-50が理想だ。1%であれ、どちらかに傾いてはスクールの発展はない。」
山口氏はゼロからECCを立ち上げ、現在もECCはビジネスでも英語教育でも成功を収めている。
私たちエース英会話スクールも襟を正してスクール運営と教務のバランスを保たねばと強く感じた。
PR: エース英会話スクールでは、長年英会話の業界に携わってきた経営幹部が、運営と教務のバランスを理想的な50-50にすべく最善を尽くし一般家庭へ英会話家庭教師を派遣しています。
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