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January 04, 2008

英語でのコミュニケーション:発話の正確さ VS. 英語を話す意欲

何回も書いているように私はACE英会話講師の採用インタビューで年間600人以上の外国人応募者にインタビューを実施している。そんな応募者の中にアジアの国々、韓国や中国そして日本で小中学生へ英会話を指導した経験のある人たちが少なからずいる。他国の小中学生と比べて日本人の学生はどんな違いがあるか聞いてみると、10人が10人同じような評価をしている。日本人の学生は英文法をよく知っていて間違いのない正確な英文を話そうとするが、正確な英文を話そうとするあまり、間違いを恐れて英語を積極的に話そうとする意欲に欠ける。これに対して韓国や中国の生徒達は決して正確な英文ではないが日本人の生徒たちよりも遥かに英語で話そうという意欲が強いということだ。勿論、英語を話すことを恥ずかしがったりする国民性もあろうが、正確さを最優先する学校教育の弊害があることは否めない。私も20年以上英会話を日本人に教えてきて実感していることであるが、教えるほうが正確さを重視すると途端に生徒は英語を話すことに臆病になってしまう。ここで声を大にして言いたい。「英会話のレッスンで、生徒のエラーは絶対に直すな!」英会話は話せば話すほど上達する。英会話のレッスンで折角、英語を話す機会がありながら、生徒が正確さに拘るあまり英語を話そうとしなくなることほど、拙い教え方はない。日本に居ながらにして英会話能力に磨きをかけるには、兎に角自分が英語を話せる環境と時間を確保することである。海外に暮らしていても自分が英語を話せる環境に身を置かないと英語による会話はいつまで経っても上達しない。

倒産してしまったNOVAの英会話講師が日本に長年いても日本語は上達しない。何故ならば一歩NOVAに入って仕事をしている間に日本語を使う必要が一切ないからだ。また日本での日常生活でも買い物やレストランなどでの会話では必要最小限の日本語能力で事足りてしまうからだ。これに対して相撲取りは日本語の環境にどっぷりと浸かるので外国人の関取は日本語がとても上手い。幼少より日本語を学んでいなくとも、白鵬・小錦・曙・高見山・朝青龍・琴欧州など皆日本語が驚くほど流暢だ。皆それなりに日本語の勉強をしたのであろうが、厳しい相撲の稽古の合間を縫って日本語の文法書で学んだり、日本語学校に通ったとは考えられない。日本語会話の実践の場に身を置き、相撲部屋に住み込んで生活し同じ部屋の力士らと日本語を話す必要に迫られて自然と日本語を習得したと考えられる。

英会話を学んでいる人たち共通の目標は「英語を自由に外国人と話せるようになりたい!」ということだ。外国語学習に王道はないと言われているが、スピーキング力を伸ばす王道をあえて表現すれば、「英語を気持ち良くたくさん話すこと」ということになる。講師の役割としては、生徒に英語を気持ち良く話してもらう為の状況を作ることだ。

コミュニケーションにおける第一の目的は相手に自分の考えをわかってもらうことだ。文法的に正確な英文を作ることは二の次となる。チャンクを積み重ねて相手に自分の意思を伝達することが大切である。チャンクを積み重ねて自由に英語を話すコツは私の別のブログ記事に詳しい。(英語を流暢に話すコツ
ヒッポファミリークラブの創設者、榊原陽氏も文法的な正確さに意識が行ったとたんに外国語が話せなくなると言っている。

昨年末、姉妹(5歳と8歳)の帰国子女への英会話体験レッスンがあった。4年間米国で暮らして帰国した子供達なので英語はある程度は話せる。お母様のご希望は、スピーキング力を少しでも維持させたい、できることなら上達させたいというものだった。打ち合わせで担当予定講師が「どの程度文法的なエラーを訂正しましょうか?」と聞いてきたので私は、「まったくエラーは直さないほうが良い」とアドバイスした。正確な英文が話せるように指導することと生徒に英語を話すように励ますことは別物だからだ。敢えて書くと、文法的に正確な英文を話す指導と自由に英語を話す指導は対極するものと考えられる。講師が生徒の文法的なエラーに注目すると生徒は正確な英文を話すことを求められ、これは生徒が英語を話そうとする気持ちに水を差してしまう。話そうという欲求を引っ込めさせてしまうのだ。

幼児と話をしていて正確な日本語が使えていなくとも母親は我が子の言葉に耳を傾けてそれを理解し、会話を楽しむ。時々は言葉の使い方を直すだろうが、いちいち細部に渡って訂正をしてしまったら子供は母親に話せなくなる。また直されると思って話したくなくなってしまう。言葉というものは面白いもので人に直されなくとも人の話し方を聞いたり書物を読むことによって正確な話し方ができるようになる。(セルフモニタリング機能)自分で自分の言葉をコントロールして、正確に自分の意図が相手に伝わるように工夫するからだ。前述したようにまだまだ日本の英語教育は文法と読解が中心だ。中学・高校の英語の授業で英文法を細部に渡って徹底的に勉強する。学んだ英文法でかなり難解な英文を読みこなせる読解力も6年間で身に付く。6年間の学校英語で自分が文法的に正確な英文で話しているかどうかのセルフモニタリング力は十分に機能するようになるはずだ。あとは如何に英語を実践で話す機会を持つかどうかが、その人が英語を話せるようになるかの鍵を握っている。

ACE英会話では、レッスン中に生徒が英語を気持ちよく話せるように、講師共々心がけている。

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