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March 04, 2007

英語を話す時の姿勢~これを実行するだけであなたの英語は上手に聞こえる~

私は英会話講師採用インタビューで英語圏からの外国人と日本人(自称英会話上級者~日英バイリンガル)に年間約900名の人と英語で話しをしています。

「英語を話す時と日本語を話す時に同じ人の性格が違うように、本当に聞こえるんだ。」と実感する時がよくあります。帰国子女など日英バイリンガルの応募者が日本語と英語を話す時にそう感じることが多いです。採用インタビュー以外でも英語圏の人が母語の英語で話している時と日本語を話している時にもそう感じる時があります。

日本語を話している時にそんな人達は少し控え目になります。逆に英語を話している時には、より積極的になります。英語では自分の思ったことをストレートにはっきりと言う傾向があり、日本語を話している時にははっきりと言うよりもちょっと曖昧に話す傾向があります。このことは日本人の英語上級者、外国人の日本語上級者にも共通しています。無意識にそうなっているのか意識してそうしているのかはその本人に聞いてみないとわかりません。しかし、英語は社会心理学的にそういう言語で、日本語も同様なのです。

このことは実際に発せられる言葉だけではなく、話す人の態度にも表れます。英語を話している時の方が、態度が堂々としていてジェスチャーが多く、声が大きくなるのです。また日本語を話している時には逆に声が小さくなってちょっとかしこまった感じになります。

先日もイギリス人の女性講師と英語で話す機会がありましたが、英語で私と2人で話している時には堂々と大きな声で自分の考えを表現していました。そこに英語の話せない日本人が私達に加わって日本語になったとたんに声が小さくなり、かしこまって自分の意見も控え目に言うようになりました。「同じ人なのに英語を話す時と日本語を話す時でこうも態度が変わり性格も変わったように見えるのか。おもしろいなぁ。」と感心してしまいました。

母語の英語には当然自信があり、外国語の日本語には自信がないのでそうなるのではないかと思われるかも知れません。しかし、母語が日本語の日本人でも同じ傾向があり、それだけでは説明がつきません。意識してみると確かに自分も英語と日本語で無意識に話し方を変えていることに気づきました。

そこで英会話を学習している日本人学習者へアドバイスです。あなたは英語を話している時に日本語を話している時と同じように控えめに曖昧に話していませんか?そうであれば、あなたの意識をすぐに変えた方が良いでしょう。たとえ英語を話すことに自信がなくとも、堂々と大きな声ではっきりと自分の意見を積極的に相手に伝えましょう。英語とはそういう言語なのです。文法的なエラーや表現の誤用があったとしても、相手はあまり気にしていません。相手はあなたのメッセージ内容そしてどういう態度や話し方でメッセージを述べているかに注目しています。更に付け加えると、ネイティブでも文法的なエラーがまったくない完璧な英文で英語は話していません。よく聞いているとネイティブでもかなり文法的なエラーを犯しています。文章を読むと一目瞭然です。文章を書くのがあまり得意でないネイティブの英文は間違いだらけです。

先日、NHKテレビの「プロフェッショナル」という番組にマサチューセッツ工科大学院の日本人教授が出演していました。北海道大学で修士まで取得してNTTでIT研究者として就労後に、その研究成果を認められてマサチューセッツ工科大学の講師からスタートして、現在は同大学院の生徒へIT開発技術を指導しています。

皆さんご存知のとおり同大学・大学院はIT研究分野では世界最高峰の教育水準で米国内を中心に世界中から優秀な学生や研究者が集まってきます。教授のゼミ風景も放映され、生徒との英語でのやり取りや講義のさわりを拝見できました。教授は当然、堂々と英語で生徒とディベートし生徒の研究テーマや視点・考え方の甘さを指摘し、論破してゆきます。失礼ながら教授の話される英語は日本人の発音で細かい文法的なエラーも目立ちました。しかし英語圏のネイティブに通じない発音や重大な文法的エラーではなく、意味不明になってしまうということでは勿論ありません。そんな発音の不自然さや細かい文法的なエラーなど生徒は気にも留めていませんし、気づいてもいないようでした。生徒にとってはそんなことはどうでもよいのです。教授の発する一文の隙もない論理的なメッセージ、確りとしたIT理論に裏付けられたユニークな視点やクリエイティブな発想、そういうものに生徒達は集中して真剣に教授の主張を聞いていました。

きっと教授はどんなに優れたIT技術や研究成果を持っていても、日本語と同じように控えめに曖昧に自分の主張を英語で述べていたならば、恐らく1~2年でマサチューセッツ工科大学の職は辞して帰国していたことでしょう。

英語を話す時には、意識して堂々とした態度で大きな声で自分の主張をはっきりと述べましょう。同じ英語力であったとしてもあなたの英語は格段に上手に聞こえ、今まで以上に外国人との英語でのコミュニケーションがスムーズになるはずです。


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